感情障害の1つに秋から冬にかけて起こりやすい冬季うつ(ウィンター・ブルー)をご存知でしょうか?季節性感情障害や季節性うつなど名称が多くあります。
あまり聞き慣れないかと思いますが、陽の当たる時間が短い冬場は気分が落ち込みやすい傾向にあります。
今回はそんな冬季うつの症状について、どのような症状がありどういった予防や対策ができるのか?ご紹介していきたいと思います。
冬季うつの原因・症状
当院は札幌にありますが、本州と比べると北海道は寒い期間が約半年間続きます。
日常生活にも雪かきや買い出しなど通常の生活よりも大変になってくる時期ですが、それに付け加え陽が短いと気分もなかなか晴れやかにとはいきません。
冬季うつの主な原因と症状はどんなものがあるのか、見ていきましょう。
冬季うつが起こる原因
雪の多く降る地域では、陽が短いという理由で気分が落ち込みますが、それによって脳内伝達物質であるセロトニンやドーパミンなどの分泌量が減少してしまいます。
これらが減少してしまうと体内時計も乱れやすく、普段健康な人でも気分が落ち込みやすくなるので、特に普段から気分が不安定な場合など充分な対策が必要です。
生活リズムの乱れが発生しやすい
冬の朝はなかなか起きられない、布団から出たくないという声はよく聞きますが、実は寒さだけが原因という事ではありません。
これらの原因は日照時間が影響していると言われており、体内時計の乱れやセロトニンの減少により、身体が活動的でない状態にあります。
冬場は温かいから眠いと感じやすく過眠になりがちですが、実際は時差ぼけのような感覚に近い感じになっているので注意です。
冬季うつによる関連症状とは?
冬季うつは無自覚に発症している方も多く、少し気分が落ち込んでいると思った時に自分の感情を整理してみましょう。
冬季うつにより自律神経が乱れやすく症状が現れたり、私生活において育児中の方や仕事でのストレスなどが、より深刻になってしまう可能性もあります。
また、日照時間が短いと甘い物や炭水化物を食べたいと感じる事も多いので、食生活にも注意が必要です。
このように、冬季うつは伝達物質の減少によって活動が減り運動不足になったり、体内時計が乱れたり、気分や食生活にも幅広く影響を及ぼします。
冬季うつにならない為の対策・予防方法
冬季うつについてご説明させていただきましたが、見えない症状は無自覚な事が多いので、少しでも思い当たる場合は改善していくようにしましょう。
ここからは、冬季うつにならない為の対策をご紹介していきます。
季節や天候だけはどうにもできないからこそ、毎年習慣づけておく事が大切です。
対策① セロトニンを増やす為の食事
セロトニンは減少すれば気分が落ち込みますが、増える事で身体も気分も元気になってきます。
セロトニンを生成する為に必要な成分の1つとしてトリプトファンがあり、トリプトファンを多く含む食品は、大豆や肉・魚などのタンパク質など日常生活で取り入れやすいものがあります。
その他にも様々な食品がありますが、摂りやすく効率の良い食品は以下の食品があります。
- 赤身(まぐろ・かつお)/鮭/青魚
- 鶏肉/卵/豆腐/納豆
- バナナ/ナッツ類/乳製品類
対策② 陽にあたるようにする
朝方や昼間の陽が入る場所で過ごす事でセロトニンの神経を活性化する事ができます。
セロトニンは光が強いほど分泌されやすくなるので、天気の良い陽に散歩すればもっと活性化できますが、家の中で過ごす場合でもなるべく日光を浴びるようにしましょう。
また、セロトニンだけでなくビタミンDも生成され、カルシウムの吸収や免疫力向上にも繋がります。
対策③ 運動で分泌を促す
有酸素運動をする事でセロトニンの分泌を促す事ができます。
一定のペースで無理なくできるウォーキングなどをする事で、冬場でも陽に当たる機会を増やせば、自律神経の乱れ改善や気分転換もできるのでおすすめです。
毎日きちんと運動する事は、血行も良くなるので関節痛の予防にもなるし本当に良いことづくめと言っても過言ではありません。
対策④ 生活のリズムを整える
冬はセロトニンの減少により活動が抑えられがちなので、きちんと計画的に生活するという事が大切です。
就寝時間・起床時間など特に決まりが無くても、おおよその目安を作って実行する事で体内時計の乱れの予防になります。
体内時計の乱れは不調の原因になるので、無理なく同じ時間帯で生活できるように意識しましょう。
対策⑤ 身体を芯から温める
身体の冷えは血行を悪くしてしまうので、温かい飲み物や入浴、ストレッチなど、身体をポカポカにする事はとても重要になります。
運動が難しい場合は簡単なストレッチとして、立ったままふくらはぎを意識してつま先立ちするのがおすすめです。
手をつきながらやってもらって構わないので、チャレンジしてみてください。
札幌の寒さはこれから
当院は札幌にありますが、札幌の冬はまだまだこれからが本番です。
特に冬場は降雪が無くても、毎日くもり空が続く事も多いので、冬季うつを防ぐ為の対策をご紹介できればと思い記事にしました。
セロトニンの分泌量増加には運動・食事・日光のバランスがとても重要になってきます。
体内の乱れは思ってもいない部分に影響するので、気分だけでなく関節の節々の痛みや偏頭痛など、お困りの場合はいつでもご相談ください。
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